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水虫・その他の皮膚真菌感染症

そもそも水虫とは何なのか? どうしてなるの?

水虫という言葉は誰でも知っていると思いますが、実際「水虫とは何?」って言われると知らない人も多いのではないでしょうか。動いたりする小さい虫だと思っている人もいるようですが、それは違います。

“水虫”は俗名であり、正式には皮膚糸状菌という真菌(≒カビ)の一種であり、その中でも多種類に分類されますが、特に白癬菌属の頻度が高いため白癬菌とも言われます。
皮膚糸状菌は皮膚表面の角層や爪、毛の根本に含まれるケラチンという成分を栄養源として増殖するため、これらの部位に感染します。足底や足指の間は最も頻度が高い部位であり、この部位に感染した場合を足白癬といいます。

では、どのようにして白癬菌は皮膚に感染するのでしょうか。感染が成立するには、白癬菌が自分の皮膚に付着し、そこで増殖する必要があります。
まず、付着する経路としましては、すでに白癬菌を持っている人との接触感染、特に日常環境の物などを介して間接的に接触して自分の皮膚に付着するケースが最も多いと思われます。実際、足白癬の人は歩くたびに白癬菌を放出しており、プール、温泉の脱衣所の共用マットや、スリッパ、サンダルなどが感染源となります。
また、近年はペットのネコや犬についている白癬菌が直接接触感染するケースや、レスリングや柔道などの格闘技の練習で集団接触感染するケースも増えており、この場合は体幹、顔面、頭部への感染が多くみられます。

ただ、白癬菌は付着しただけではまだ感染したとは言えません。その部位で増殖する必要があり、そのためには増殖する条件が整うことが必要です。
白癬菌はカビなので、高温多湿の環境が適しており、これが靴を履く我々の習慣で趾間部や足底部に作り出されるために足白癬が多くみられると考えられます。また、夏に多く冬に少ないというのも納得できます。逆に考えれば、付着しても早めに洗い流せば感染しないと言えます。実際どれくらいの時間で感染が成立するかは、その時の局所環境や菌体数によっても変わってくるでしょうが、早いにこしたことはないでしょう。その理由からも日々のフットケアが重要となってくるわけです。

水虫の症状とは?

水虫といえば足の裏だと思っている人も多いかと思われますが、実際には白癬菌は体の様々な部位に感染します。ここでは、特に頻度の多い足白癬爪白癬に絞って説明したいと思います。

まず足白癬ですが、臨床的に主に以下の3型に分類されます。

趾間型 最も多い病型で、足指の間に発赤や小さい水ぶくれで始まり、皮がめくれてきます。白っぽく、しめったような皮膚になることもあります。症状が進むと、かゆみも強くなります。放置すると、皮膚常在菌による2次感染を起こし、痛みがでることもあります。
小水疱型 土踏まずや足指の付け根によくみられます。小さい水ぶくれが集まってみられ、やぶれて皮がめくれたようになります。
角質増殖型 かかとが硬く厚くなり、かさかさになります。かゆみはありません。放置するとひび割れになることがあり、痛みを発します。

この3型は単独のこともありますが、混在していることもよくあります。また、かゆみだけで水虫だと思っている人もいらっしゃいますが、必ず皮膚表面に何かしら症状はでてきます。かゆみだけの場合は水虫ではない可能性が高くなります。また、皮がめくれたり、水ぶくれがあっても水虫ではないこともよくあります。見た目だけでは診断は不可能で、必ずめくれた皮膚や水ぶくれの皮の一部を顕微鏡で調べて、白癬菌を証明する必要があります。そのためにも、自分で判断せずに皮膚科を受診していただくことをお勧めします。

次に爪白癬ですが足の親指の爪によくみられます。こちらも臨床的にいくつかの病型がありますが、基本的には爪が一部白く濁ったようになり、爪が厚くります。爪の強度がなくなり、爪を切るとぼろぼろと粉状にくずれてきます。診断のためには、この濁った部位から爪のかけらを採取し、顕微鏡で白癬菌を証明する必要があります。爪に関しては加齢による変化や、慢性的な靴による圧迫刺激などでも濁ってきたり、変色することがあり、やはり見た目だけでは診断はできないので、気になる方は皮膚科を受診していただくことをお勧めします。

水虫の治療法は?根治はできるのか?

もし皮膚科を受診されて足白癬と診断された場合、まず行う治療は白癬菌を殺す抗真菌外用剤を塗布することです。適切に行えばこれだけでほとんどが根治可能です。適切にというのは、塗る面積や回数や期間のことです。
まず面積については病変部位だけではなく、その周囲も含め場合によっては足底全体に塗ったほうがいいとされています。回数については最近の外用剤は入浴後に1日1回のタイプが多く、それほど負担にはなりません。また期間については病変の面積にもよりますが、途中で症状が改善したとしても基本的には2~3ヶ月をお勧めしています。
ただ、角質増殖型のケースでは外用のみでは角質が厚く病変まで薬剤が行き届かないこともあり、角質を軟化させる外用剤と併用したり、白癬菌を殺す飲み薬が必要な場合もあります。また、二次感染や湿疹病変を伴っている場合はそちらを優先させて治療することもあります。

根治できるかにつきましては、ある時点での症状に対して白癬菌をゼロにする、つまり根治は可能と考えられますが、白癬菌は日常ありふれた菌であり、また付着して感染する可能性はいつもあります。つまり、また再発する可能性は常にあります。そのため、治癒した後も予防的に外用されている人もいらっしゃいます。
あと、注意点としまして、自分で水虫だと判断して、市販の水虫の外用剤をしばらく塗ったにもかかわらず治らないと言って皮膚科を受診する人が多くみられます。この場合、顕微鏡で白癬菌が見つかれば、足白癬の診断で市販の外用剤の効果が悪かったということになりますが、白癬菌が見つからない場合、もともと水虫ではなかった(湿疹などの別の病変である)可能性と、水虫ではあるが市販の外用剤がある程度効いていて、検出できない可能性が出てきます。このときは当然、足白癬の診断はできないために、抗真菌外用剤の処方もできません。しばらく市販の外用剤を止めていただいて、後日もう一度来ていただくといったような二度手間なことになりかねませんので、市販の外用剤を使用する前に皮膚科を受診されることをお勧めします。

爪の水虫は治らないの?

爪白癬は足白癬と異なり、非常に難治性です。基本的には根治させるためには外用剤のみでは困難で、飲み薬が必要です。
現在保険適用となっている2種類の内服薬がよく使用され、いずれも効果は期待できますが、飲み合わせが悪い薬があったり、採血による肝機能のチェックが必要なため、よく説明を聞いてから選択する必要があります。ただ、爪が生え変わって治っていくために、長期(約半年間)の経過観察が必要となります。
爪の伸びが悪い場合や、爪甲剥離といって爪が下の皮膚から浮いている場合や、にごっている部分がくさび形に深くくい込んでいる場合などは内服しても治りにくいこともあります。この場合は、病変部位を物理的にできるだけ削ったりして、液状の外用剤を塗布したりしますが、それでも治らない場合もあり、根治はあきらめて、増悪防止に努めることもあります。
爪白癬は足白癬のように物を介して他人にうつす可能性は低いですが、外見上の問題や、足白癬への白癬菌の供給源になっている可能性もあり、できるだけ治療することをお勧めします。

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